Day of spring
春の訪れが山岳地や高原よりも、いち早くやってくる里川。
朝から夕方までの間、日照時間も比較的長くて暖かい里川。
森の中とは違い、大きな青空が頭上いっぱいに広がる里川。
河畔に畑や田んぼ、民家が軒を連ね、人の匂いのする里川。
釣りをしていると、地元のおじさんが声をかけてくる里川。
川辺の道を歩くと、子供が大きな声で元気に挨拶する里川。
春の日差しを浴びて、元気に水面を割る天女魚の住む里川。
いつもの石の横、毛鉤に反応をしてくれる岩魚の住む里川。
浅瀬が続く穏やかな流れがあり、美しい山女魚の住む里川。
僕が初めてフライフィッシングを心から楽しんだのも里川。
もちろん、初めて天女魚を釣り上げる事ができたのも里川。
春から秋まで、通いに通って様々な経験を積んだのも里川。
そんな里川も三月のこの時期の朝は、平野部に比べればまだまだ寒い。
畑の脇を流れ、里川に注ぎ出す小さな沢水の雫が周囲の草木を濡らすと
気温の低さでその雫が凍り付き、幾層にも重なって氷のオブジェを作り出す。
もう少しだけ季節が進み
本格的な春が訪れ気温が少しずつ上がりはじめると
里川の畔にひっそりと出現した氷のオブジェも
徐々にその姿を変えながら、消えて無くなるのだろう。
氷が溶け出す頃まではあと少し。
この氷が溶けてなくなった頃
里川での本格的なシーズンの始まりを感じるわけだ。
と同時に、週末の里川の事で僕の頭の中は
いつもいっぱいになるのだ。
氷が溶け出す頃まではあと少し。
by terry_ffb2 | 2008-03-06 22:27