Travel of baton relay <episode 9 Fish Craft>
高原の渓の川縁には、秋のはじまりを告げるように秋桜が咲き始めました。2009年の渓流シーズンも、残り僅かになりましたね。あと何日、何度、美しき渓流魚に出会うコトが出来るでしょう。ボクは本業のほうが忙しく、ここのトコロ思うように渓へ立つことが出来ず、少々悶々としています。
さて、今回の手紙は、皆さんと昨シーズン楽しんだバトンリレーのお話の最終回です。日本各地の美しき渓流魚、アマゴ・イワナ・ヤマメ・ブラウン・レインボーを釣り上げたBatonと言う名のロッドの件です。振り返ってみると、あのロッドがボクの手元に戻ってきて、一年が過ぎます。昨年のシーズン終盤のアンカーとしての釣行で、ヒットしたイワナとのやり取りの最中にフェルールが折れてしまい、流れの中で愕然としたコトもありました。この春には、折れた箇所のブランクを仕入れて修理を施し、ブルックトラウトを釣るために奥日光・湯川まで夜通しハイウェイを走って単独遠征したりもしました。しかし、二度目の奥日光・湯川では、毛鉤に出たブルックにアワセを入れた瞬間、嫌な破裂音とともに修理不可能な状態に・・・いや、修理はできないコトがないのだけど、バット側ブランクからロッドを作り直すと、皆さんが渓流魚との格闘時に握ったグリップは使い回すことが出来ないし、思いを入れて書いたBatonというネームも消えてしまう・・・
折れてしまったロッドをどうしようか・・・悩んでいました。
フィッシュクラフトです。
釣り上げた渓流魚の写真から木彫魚を作り出すコトができる友人(といっても、人生の先輩であり、仕事でも大先輩!!)に折ってしまったロッドで釣り上げた“思い入れ”たっぷりのイワナのクラフトを作ってもらい、ロッドを一緒に作品として残すことが出来ないだろうか・・・と相談をしたのです。もちろん、その友人は二つ返事で作品を作ってくれました。オーダーしたようにロッドの一部分をフィッシュクラフトと一緒に添えるようにして。
皆さんと昨シーズン楽しんだバトンリレー。大切なロッドを折ってしまいバトンリレーの旅は終わってしまったけど、このロッドが釣り上げたイワナのフィッシュクラフトと一緒にロッドの一部を作品として残すことで、Batonと言う名のロッドを忘れることもないし、皆さんとの思い出も楽しく思い出すことが出来るような気がします。
命のバトンリレーで繋がれた美しき渓魚たちに、来シーズンも出会えると良いなぁと思います。
バトンリレーに参加してくれた皆さんの所からは、ちょっと遠いかなぁ。会場に足を運べず、作品を見れなかった方のために、作品と展示風景、フィッシュクラフトの制作者のポートレート撮影をしてきましたので、是非コチラもご覧ください。
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terry's Photo Lounge
渓流シーズンも残りあと僅か。思い出に残るようなとびきりキレイな渓流魚に会いたいですね!!そんな渓魚に出会えたら、またフィッシュクラフトの制作依頼をしちゃおうかな。