Rain man

雨のち晴れ。晴れのち雨。
どうも複雑な心境だ。

e0009009_2353276.jpg初めての蒲田川釣行。初日はイブニングになってから、やや活性の上がったトコロで何とかイワナの顔を拝む事が出来た。丸一日ロッドを振り続けてクタクタになりながらも、ようやく出会ったイワナのお陰で翌日へのモチベーションを上げる事が出来る。
宿へ戻り夕食の準備が整うと、貪るようにメシを食う。なんだか先ほどのイブニングで水生昆虫の羽化と流下により、活性の上がったイワナのようだ。豪華な食事を食べながら仲間と楽しいひと時を過ごした後は、温泉に浸かり疲れた身体を十分に温めて部屋に戻る。するとメンバー全員がドッと眠気に襲われたようで、22時を回ったトコロで自然に就寝となった。

その時すでに外からは、パラつく雨の音が聴こえていた。

目覚めると、やはり外は雨。やはりボクは雨男なのだろうか。しかし同行者は“超”が付く程の晴れ男。宿の部屋に設置されたテレビからは、この日は天候は雨のち晴れとの予報が流れた。雨は小雨。こんな日はハッチがダラダラと起こるかもしれない。そんな期待を胸に、のんびりとした朝食を摂って宿を出た。

e0009009_2353382.jpgこの日は前日に入ったポイントの上流に向かう。夜に降った雨の影響はほどんど無いように感じる。早速釣りの支度を終わらせて、渓に向かう。ボクは右岸を同行者ふたりは左岸を交互に釣り上がる。渓を見渡すと初めてみる光景が目に入った。そう、この蒲田川の特徴のひとつで、川に温泉が沸き出し、至る所から湯気が立ち昇っているのだ。川の水温は9度程なのだが、温泉の流入しているポイントでは水温が一気に上がっているようなのだ。
石と石との間から湯気が出ている場所を尻目に釣りをするなんてのは初めて。思わず両手を水に入れてみると、左手は痺れるような冷たさなのに、右手はお風呂にでもはいるような温かさ。こういった流れだからこそ、早春の渓でも水生昆虫たちがハッチして、雪景色の中でもドライフライを使ったエキサイティングな釣りが出来るのだろう。

e0009009_23544855.jpgそんなちょっと変わった蒲田川の様子を楽しみながら、ここはッ!というポイントを丹念にさぐるものの、この日も前日同様にサカナからの反応は無い。迫り出した木々を避けながら、バックハンドでキャストを繰り返すが、あまりにサカナからの反応が無いため集中力が下がる。何度も枝や岩の間に毛鉤を絡めてしまい、かなりの毛鉤をロストして脱渓した。
脱渓すると同行者の一人も対岸から伸びる橋を渡り、こちらに向かっていた。様子を聞くと反応は全くなかったとのコト。もう一人の同行者を待つ間に色々な話をしていると、大切に使っている様子のリールに目が行った。

そのリールはイギリス製。ベーシックなデザインで今なお人気のあるリールだ。インスプールのそのリールは、フレームが一部欠損している。それでもなお大事に使われている。なんでもフライフィッシングを始めた頃から使っているそうだ。きっと今まで多くの渓へ一緒に旅をしたのだろう。里川や渓流、源流とあらゆる場所へ一緒に行って、数々の思い出が詰まっている様子がよく分かる。折れてしまったフレームは元には戻らないが、むしろ世界にひとつだけのリールのように見える。
その後、もう一人の同行者が対岸からこちらに向かって歩いてきた。なんとか一本イワナを釣り上げたようだった。見えていたイワナに、何度も何度も毛鉤を流し続け、ようやく毛鉤を食わせたと言う。そのイワナは顔の赤い泣き尺イワナだったという。後にその赤いイワナの写真を見せてもらったが、かなり衝撃的な顔のイワナだった。一体どうしてあんな不自然な色合いに育ったのだろう。

e0009009_23563553.jpgその後、夕方には滋賀に戻らねばならないという同行者と別れ、ハッチの無い上流部を諦めて下流部へと向かう。宝橋というポイントのやや上流部をみると、日当たりもよく、川全体に水が広がっているポイントがあった。ここで釣り人の姿が見えないので、入渓してみる。しかし人気河川では、人の居ない場所にはサカナは居ない。そんなジンクスを考えながら、先週の千曲川のように、もしかして竿抜けしているかもしれない。と淡い期待を持ちつつロッドを振った。

しばらくすると、T字型の白っぽいシルエットの虫が、風に吹かれて飛ばされているのが視界に入る。かなりの量だ。そういえば、セキレイやグリーンバックの小鳥たちが頻繁に水面を飛んでいる。どうやら、コカゲロウのハッチのようだ。石の上に定位した小鳥がパッと飛び立ち、風に飛ばされている虫を空中でキャッチして、また同じ石の上に舞い戻る。しばらくその妙技に見とれてしまった。#20サイズの毛鉤に結び換えてしばらく流れの様子を伺ってみたが、何も水面に変化は起こらない。どんよりと曇っていた朝が嘘のようによく晴れた昼さがり、サカナたちは何処かでひなたぼっこしながら昼寝でもしているのだろうか。

しばらくすると同行者がやって来た。様子聞くとボクの入っていたポイントの上流部は、流れが狭まり、流速を増していたために全く水面に毛鉤を流すポイントが無かったようだ。全体的にハッチがスローで、サカナの反応が少ない蒲田川を諦め、松本インターに向けクルマを走らせる。

e0009009_23572099.jpgしかし、タダでは帰らない。ちょっと寄り道してみようという同行者の提案に乗り、松本市内を流れる里川に向かった。しかしそこはかなり細い流れで、葦が川全体を覆っている。わずかに覗く葦の隙間に毛鉤を打ち込むのだが、晴れ上がった空から吹く強い風に影響されてティペットが絡み付く。サカナの着きそうなポイントだけをリズミカルに叩いてみるが、反応が無い。どうやら昨日・今日と全くツキが無いようだ。こんな時はグズグズせずに、さっさと諦めよう。次回の釣行の計画を立てて、気分を変えよう。

そんなコトと考えていると、木々の隙間から傾きかけた太陽の光りが溢れる川沿いの農道を歩く同行者の姿が見えた。どうやら、奥飛騨を流れる春先のマッチング・ザ・ハッチの渓と松本の里川を釣った二日間の旅はコレで終わりを迎えるようだ。

帰り道の車中、この二日間の釣行や次回の釣行の事など、色々なコトを話した。次回の蒲田川へのリベンジを誓うボクと、来年の蒲田川に期待する同行者。気が付けば小雨振る都内のハイウェイを走っていた。釣りの旅が終わると雨が降っていた。そういえばこの日、釣りを始める前は雨が降っていたが、釣りをしていた時は晴れていた。

やっぱりボクは雨男なんだろうか?
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Commented by taros_magazine at 2006-04-19 00:35
terryさん、お疲れさまでした!
それにしてもイワナの顔…ホント、衝撃的ですね
たしか口の下に赤いラインのあるレインボーなんかを
北米あたりでは”カットスロート”と呼んでいたような気がしますが
このイワナの血塗られたような表情こそ、カットスロートという名にふさわしいのでは、と思ってしまいました
Commented by Lt_cahill at 2006-04-19 00:49
terryさん、後編も楽しく読ませてもらいました。
やっぱり今年の蒲田は不調だったようですね。来年に期待しましょう。
さきほど、para-miyukiさんのサイトに行ったらterryさんのカッコいい釣りシーン見れましたよ!
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 01:17
taroさん♪こんばんわ!!
でしょ?赤い色でスゴい顔つきだったでしょ?ビックリしましたよ〜。
残念ながらボクは対岸の下流にいたので、実物は見られませんでしたが、写真でもあれだけ赤い顔をされていると・・・。かなりの衝撃写真でしたね。
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 01:21
Lt_cahillさん♪こんばんわ!!
どうも昨年の工事の影響で水生昆虫が少ないのでは?ってmiyukiさんと話をしてたんですよ。ならば、来年あたりは復活してるかもしれませんね。ハッチがすくなきゃ、ライズも見つけられませんからね。
来年はLt_cahillさんとも蒲田にいけるとイイな〜。
写真は同じものをHEADERにも使わせていただきましたよん。
Commented by dadlife at 2006-04-19 08:33
terryさん、おはようございます。(^^)
朝食を食べない自分ですが、美味しそうですね。
川に温泉、そこはブログネタにterryさんが入ってくれると・・・。(笑)
ロッド、リール、使い込まれたからでしょうか、ステキな風合いですね。
miyukiさん、いい味でてます。(笑)
サスガに天気ばかりは人智の及ぶところではないのでー、まあ軽く雨男って事で・・。(嘘ですよ・笑)

Commented by para-miyuki at 2006-04-19 11:17 x
terryさん、おはよ~ございます。
ふふふ、なんだか晴れ男と雨男の鬩ぎ合いのような天気でしたね。
これから雪代シーズン突入ですので、今年の蒲田の虫はいつハッチすればいいんだろう・・
他の山岳渓流と同じ季節になるみたいです。
Commented by heboheboy at 2006-04-19 12:41
赤いイワナは温泉の湯で焼けどでもしたんでしょうか?明け方まで呑んだ人の寝起きの顔のようにも見えましたが・・・要
Commented by flymagic at 2006-04-19 20:45
terryさん、まいどっ!
雨男ですか?ならば僕はちまたでは「嵐を呼ぶ男」と呼ばれてるようです・・・笑。 僕が島牧の海アメに行くと天候が悪いというジンクスがあるようです。
残雪が残る山並みを眺めながらのマッチザハッチ!北ではもう少し先になりそうですが、回りからは似合わないと言われながらも、実はこの釣りも大好きなんですよ(笑)。
Commented by 西洋毛鉤 at 2006-04-19 23:20 x
「松本市内を流れる里川に向かった・・・・」後に
蒲田とは打って変わって、
沢山釣れた話が出てきたら、
どうしようかと思いましたよ。

大体先に失礼すると、残った人たちが、爆釣しますからね。

今回は私が先に失礼しましたが、後もだめでしたか・・・ヨシヨシ(^^)
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 23:30
dadlifeさん♪こんばんわ!!
朝食はスゴい豪華ってコトはなかったけど、一人暮らししてるボクはいつもコンビニのパンと缶コーヒーの生活なので、とても美味しい朝メシでしたよ。
それにしても、いくらブログネタの為とはいえ、川の中には入れませんよ(笑)
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 23:35
miyukiさん♪こんばんわ!!
どうもボクは雨男のような、でもないような。何だか不思議な天気でしたね。釣りをしてる時は晴れてて、東京に戻ると雨がふってて。ほんとによく分かんないですね。さて、今週は何処に行こうか。雪代の心配の無い渓を探さねば。
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 23:38
要さん♪こんばんわ!!
温泉の熱いお湯でヤケドか〜。でもあれほど赤くなってしまう前に“煮魚”になっちゃいますよ(笑)ちなみにボクもお酒を呑むとあんな感じになっちゃいますね。
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 23:41
akaさん♪まいどッ!!
そうでしたか、akaさんもマッチ・ザ・ハッチの釣りをするんですね。なんだか、いつも湖や本流、海の釣りを紹介しているので、イメージがなかったな〜(笑)
北に春がやって来たら、マッチ・ザ・ハッチの釣りも紹介してくださいね。待ってますよ〜♪
Commented by tokyo_terry at 2006-04-19 23:44
西洋毛鉤さん♪こんばんわ!!
にゃははははッ。ほんとうは“クッソ〜ッ!”って悔しがらせたかったんですけどね。さらに悔しい思いをして東京へ戻りました(涙)そういった気持ちで釣りをしちゃいけないってことですね。反省〜☆
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by tokyo_terry | 2006-04-18 23:59 | ♤ Fly Fishing | Trackback | Comments(14)

大好きなフライフィッシングにまつわるハナシ。気になる音楽、食事、ジテンシャ遊びやキャンプなど。アウトドアの話をサカナに、ゆったり寛ぎながら酒でも飲みながら語り合いましょうか。でもボクは下戸です(^ ^;


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